どうもです。ギリギリです。
さて、今日はオーストラリアの大学と日本の大学の違いについてそれぞれの特徴を上げながら、経験を元に書いてみようと思います。
とその前に、簡単にいま通っている大学について簡単に紹介。
いま通っている大学はQUT、Queensland University of Technology、クイーンズランド工科大学という大学で、Master of Information Technology (Advanced)という2年間のITコースを勉強しています。専攻(Major)はSoftware Architecture。
マスターコースは日本で言えば大学院に相当します。ちなみに大学はバチェラー(Bachelor)。
このQUTは随分昔からある学校ですが、”大学” になったのは意外にも25年ほど前。
QUTはIT系が強いことで有名ですが、その他にもビジネスや教育、法律などに関する学科もあり、最近では看護学科がとても人気です。永住権狙いの中国人がとても多い!
また日本人の元看護師も何人かいるようで、以前元看護師で現在QUTの看護コースに通っているという日本人の女の子に会いました。
QUTはブリスベンのど真ん中にそのメインとなるガーデンポイントキャンパスがあり、ITコースはこのキャンパス、看護コースの人たちはケルビングローブキャンパスという中心地からバスで10~15分ほどのところで学んでいます。
他にもカブーチャという中心地から電車で1時間ちょいのところにもキャンパスがありますが、何の学科があるのかはわかりません。
そんなQUTで昨年から学び始めて、日本の大学とは違うなあと思った点がいくつかあるので紹介したいと思います。
オーストラリア
- 一般科目がない。専門的な授業のみを履修することになる。
- 授業数が少ない。1セメスター(日本で言う学期)で3~4教科。その代わり1教科につき3~4時間、多いものは5時間程度使う
- 基本的に出席を取らない。
- 教科書をかわなくても平気な授業がかなり多い。
- 自習時間が長い(アサインメントをこなすため)。
- 通常、アサインメントと呼ばれる課題と、最後の試験(Final Exam)の出来でその授業のグレードを決める。
- グループで取り組むアサインメントがある=他人と協力しないとクリアできない。
- 提出物は、1秒でも遅れたら終了。その授業を落とすことになる。
- 病気や特別な理由がない限り、落とした授業に対する救済措置はない。
- レポートや卒論などの内容の不正に対してものすごく厳しい。
日本
- 専門科目以外に一般科目がある。
- 1日3~5教科、月~金までぎっしり授業がある。(3~4年生は違うことがよくあるが)
- 教科書の購入はほぼ必須。
- 基本的に授業を理解していれば、大抵の場合普段からそこまで自習をがんばらなくてもその授業はパスできる。
- 中間試験と期末試験の2つで評価されることが多い。
- グループで取り組むような授業がほとんどない。
- 提出物の遅れに対して比較的寛大。
- 落とした授業(特に必修)に対する救済措置がある。
- レポートや卒論などの内容の不正に対して甘い学校が多い。内容をまったくチェックをしない学校が結構ある(オレの卒業した日本の大学もそう)
専門科目のみ+実践形式の授業
日本の大学との大きな違いの一つに、一般科目がない事が挙げられます。
日本だと、例えば工学部でも英語や心理学、社会学など全く異なる授業を選択授業として履修することがあると思いますが、オーストラリアではその学科や専攻に関する事以外はまず勉強しません。
授業内容は実践形式の授業が多いので、働き始めてすぐに学んだ知識、方法が役に立ちます。日本のように大学で学んだことと全く異なる職種について、社内で一から勉強するような人はいません。そもそもそんな知識のない人を取る企業はごくまれです。
またディスカッション形式の授業があるなど、日本のような机にかじりついて黙々と一人で勉強するのとは違うスタイルをとる授業が結構あります。特にマネジメント系などコミュニケーションが必要な事を習う授業では多いです。
ちなみにですが、海外では、経験者やその分野に関する教育を受けた人を雇う場合がごく一般的。なので、大学の成績は就活時にとても重要です。成績がよい=知識があその分野をよく理解しているということになるからです。
日本でも成績は関わってくるでしょうが参考程度という感じの企業が多いのではと思います。
それよりも志望動機やSPIテストの結果、面接での態度などの方が重要視されます。
またオーストラリアでは入社時に試験を設けるところがほとんどなのですが、これは専門的な知識を問う試験です。
つまり専門的な内容を問うて、その職業に対する能力と知識を見るわけです。
日本ではSPIテストで専門性よりも総合的な適正があるかどうかを判断します。
これも大きな違いの1つですね。
他の大きな違いとしては、履修する教科の数が違います。
QUTでは、海外留学生は1セメスター内で4教科履修するというルールがあります。
日本人からするとずいぶん少ない数ですが、はっきり言ってこの数字、十分です。
上のリストにもあるように1教科で学ぶ量が多い+アサインメントが大変なので、4教科をこなすのは意外と大変なんだなこれが。
ところでこのアサインメントと呼ばれる課題で評価されるのも、日本にはない(もしくはまれな)システムの1つでしょう。グループアサインメントと呼ばれるものは、2~7人くらいのグループで1つの課題に取り組むというもので、授業によって人数が決まっています。
グループとして全員が同じく評価される場合もあれば、グループ内の各担当ごとに評価される場合もあります。後者のほうが多い気がします。グループ内に出来ない奴がいるせいで、できるやつの評価が下がるってのは理不尽だから、妥当な評価方法ですね。
提出物や不正に対する姿勢の違い
オーストラリアでは、提出物の遅れに対してはとても厳しいです。例えば事故にあったとかインフルエンザだったなど、正当な理由がない限り救済措置はありません。
落とした授業に対しても同様で、必修だろうがなんだろうが、落とせばそれまで。
日本のような情けはありません。
厳しいのはそれだけではなく、レポート内容の不正に対しても厳格なルールと制裁措置があります。
レポートなどで他人の出版物や著作物(の一部)を引用したりする場合、リファレンスと呼ばれる引用( ….. (wikipekiaより引用)、みたいなやつ)を必ず明示しなければいけません。コピーなどもってのほかです。
学校ではそういった不正なコピーやリファレンスのない文を検知するシステムを使って全てをチェックしているので、ちょっとくらいコピっても平気でしょという甘い考えは一切通用しません。
意図的なものはもとより、うっかりミスなど意図しないものも処罰の対象になります。
聞いた話だと、そういうものが見つかった場合その授業を落とすし、場合によってはさらなる処罰もあるようです。
その他の点としては、質問の仕方が日本とオーストラリアでは違います。
日本の大学の授業では、質問があってもその多くの場合は授業が終わったあとに教授のもとに駆け寄って個別で聞くことが多いと思います。しかしオーストラリアでは、授業中に質問が飛ぶことが比較的多いです。その場で分からないことを聞くので、他の人の理解の助けになるので意外と助かります。
海外の大学は卒業するのが難しいとよくいわれますが、上記のような提出物や不正に対する厳しさ、専門性の高い授業ばかりを取り扱うなどの理由に加え、それを英語で学ぶという事が難しさに拍車をかけているんじゃないでしょうか。
日本の大学すべてが簡単に卒業できるとは思わないけど、こういった部分を比べると海外よりも比較的簡単かも知れません。
さて、ざっくりとですが日本とオーストラリアの大学の違いについて触れてみました。
他にも細かな違いも含めてあると思います。
いやこれは含めてよ!ってものがあったら、コメントにお願いします。
こちらの大学のことについてもう少し詳しく紹介するには少しスペースが足りないので、また別の機会に。
では!