【Q&A】オーストラリアの大学&就活に関する質問に答えました その2

どうもです。

ギリギリです。

 

最近日が暮れるのがほんと早い。

5時過ぎにはもう暗いので、ウォーキング早めに行かないと。

会社帰りにはもう暗くて行けんで、ジムに行くしかないかな。

 

さて、今日は前回のQ&Aの続きです。

前回の投稿はこちら。

【Q&A】オーストラリアの大学&就活に関する質問に答えました その1

 

ブログ読者からの質問

ここでもう一度、受け取った質問を見てみます。

はじめまして。
来年からQUTのMaster of IT(コースワークのComputer Science)への留学を考え色々調べていたところ、ギリギリさんのブログに行き当たり、記事を拝見しました。とても為になる情報ばかりで、いくつか疑問も解決できて、よかったです!

私は将来的にはソフトウェアやアプリ開発のスキルも身につけ、調査や研究で使えるアプリを作りたいと思っています。ウェブサイト制作を趣味でおこなっておりHTMLやCSSの知識はあるのですが、JavaScriptやPHPなどはコードを見てなんとなくここはこういう意味かな?とコピペで動かせる程度です。

A) ギリギリさんは留学前からIT系で働かれていたということですが、そんなギリギリさんから見て、

  1. QUTの履修科目は、充実したものでしたか?逆に、物足りない部分はありましたか?
  2. スマホアプリについての授業はありますか?
  3. 座学と実践(課題作成)の割合はどれくらいですか?
  4. 現地のIT企業で働いてる人で、学部がIT系ではなかったりキャリアチェンジした人はいますか?

B) また、一般的な事柄として、

  1. 履修人数はどれくらいいますか(定員がないようなのですが、寿司詰め状態とかではないですよね・・・)?
  2. 留学生がほとんどのようですが、地元の人があまりいないのはなぜでしょうか?
  3. TAFEでDiploma取得は検討されませんでしたか?永住権のポイントを考えなければ、お金と時間の節約にもなるし、地元のひとはTAFEに通って就職という話も聞きますが・・・。学費があまりに違うのでTAFEと大学で少し迷っています。

長々と申し訳ないのですが、もし気が向いて、お時間があれば返信頂けると嬉しいです。

 

前回の投稿ではA1とA2に答えました。

今日は質問A3とA4に答えます。

 

A-3. 座学と実践(課題作成)の割合はどれくらいですか?

コースワークの修士というのは日本の大学では(少なくとも僕は)知らないのですが、やはり課題解決型のものが多いでしょうか。就職するのであれば、大学のモットーの通り実践型のほうがよいのですが。

 

割合については、講義の数と実技クラスの数だけで言えば半々です。でもかける時間で言えば実技のほうが圧倒的に多いです。

 

課題に圧倒的に時間をかけることになる

例えばグループアサインメントだと、週1のワークショップに加え週1~2回のグループミーティング、自分のタスクをこなすための時間(調査やコーディング、レポート書いたりなど)が必要。これ、結構時間かかります。

一人でやるアサインメントでも同じようなものです。例えばレポートを書く場合、リサーチして自分の主張を補強しないといけないので、読む+理解する+まとめる+書く時間が必要です。Literature Reviewを求められる場合はもっと時間かかります。結構な量を読まないとレビューがかけないので大変です。

ちなみに、多くの日本人は書くのが下手で、英語で書くと余計おかしなことになることが多いです。日本人の書く文は意味がわからないと言う人も結構います。

もし書くのが苦手なら、更に時間を必要とするでしょう。

 

オレはソフトウェア開発関連の授業を多くとっていたので、アサインメントはプログラミングが多かったです。こういうアサインメントは比較的ラクでした。日本にいたころ仕事で散々コードを書いていたので。

でも全くの未経験の人は、プログラミングの課題といえど多少時間がかかると思います。

 

実技は課題解決が基本

ほぼすべての授業は何かしらの実技があります。

ここでいう実技とは実習、ワークショップ、アサインメントなどを指します。

ワークショップ、アサインメントでは課題を解決するのが基本です。むしろそればっかです。

例えばデータ分析の授業で出たアサインメントでは、カンタス航空やアメリカのいくつかの航空会社をとりあげ、アサインメント用に作られたデータを分析し、結果をもとに会社同士を比較したりしながら、与えられた問題を解いていくことをしました。

このように、具体的な例題を解くのは講義内容だけでなく実習でやった内容も思い出しながら取り組むため、自然と力がつきます(日本でもやればいいのに)。

1つ注意ですが、取る授業やコースによってこれは大きく変わります。

ITでソフトウェア開発ならプログラミングやルータの設定、Webサイト構築など、”手を動かす”課題が多いですが、プロジェクトマネジメント関連の授業ばかり取ればレポートの方が多くなります。

 

さて、ここからは若干質問から話はそれるけど実技について少し話をします。

 

講義+実習 or ワークショップ+アサインメント+試験が授業の基本

一般的な授業のスタイルは講義+実習+アサインメント2つ+期末試験。他には、講義+ワークショップだったり、実習の課題がアサインメントの代わり=毎週小さなアサインメントが出たりします。

実技がメインの授業の中には、アサインメントのみで期末試験がないものもあります。こういう授業は本当に助かります。期末試験で感じるストレスはけっこうすごいので。

しかし逆に言うと、アサインメントでコケると成績が取り返せません。だからアサインメントがめちゃくちゃ難しいと死にます笑

 

ほとんどの授業では期末試験がありますが、中間試験がある授業は少ないです。授業の多くはアサインメントを2つ出すので、それが中間の代わりといったところでしょうか。

 

実習、ワークショップ、アサインメント – どれが重要か

実習、ワークショップ、アサインメント。

どれが重要かと言われたら、やはりアサインメントでしょう。

理由は簡単。成績に直結するからです。

しかし、実習やワークショップの出来や理解度がアサインメントに関わるので、あまり軽視はできません。

 

実習では、講義で習った内容を元に実際に手を動かします。プログラムを書いたり、SQLを書いたり、ネットワーク図を書いたり、その内容は様々。一人でやる実習の場合は、単に計算結果を求める問題とか、「これを実現するプログラムを書け」みたいな単発の問題がいくつも出ることが多いです。

実習で出席を取ることはまずありません。しかし、大抵の授業のアサインメントは実習で出た問題が元になっていたりヒントが書かれているので、できるだけ出席したほうがいいです。サボって後で困ったことが1,2度ありました笑

 

ワークショップは実習と似ているけど、講義の延長線上みたいな感じで、教授か専門にワークショップをまわす人がいることが多いです。また、グループで活動することがほとんどです。

Project Managementという授業では、ワークショップの最後に5分程度のプレゼン(エレベーターピッチ)があってけっこう大変でした。でもこの授業は今の仕事にすごく役に立っています。

 

アサインメントは、それまでの講義+実習 or ワークショップの集大成。内容は授業によって様々です。

アサインメントの出来は成績に直接響くので手は抜けません。

 

成績に関して話をすると、実習は成績に関わることはないです。たまに実習で出る問題がアサインメントの代わり=毎週の実習がアサインメント、みたいな授業はあるけど。

ワークショップも直接成績に関わることは少ないです。でもグループ活動なので、出席しないと他のメンバーが「こいつは全然グループ活動に出てない」と教授に文句を言います。そうなると成績が下がるか、ひどい場合は単位を落とします。

それにアサインメントはそのグループで取り組むのが基本なので、参加しない=アサインメントをやっていないです。

だから、参加しないと窮地に陥ること間違いなし。

 

このように、アサインメントは成績に直結するので一番重要ですが、授業を理解する、グループメンバーとしての役目を果たすことを考えれば、実習もワークショップも馬鹿にできません。

 

A-4. 現地のIT企業で働いてる人で、学部がIT系ではなかったりキャリアチェンジした人はいますか?

現地では経験がかなり重視されるということですが、そうすると多くの人が学部選びから就職を視野に入れて考えると思います。なので少数派だとは思うのですが、色々な経験や背景を持っている人を優遇する風潮はあるのか、またキャリアチェンジしようと思い立つ人がどれくらいいるのか気になります。

 

キャリアチェンジは可能。大事なのは能力があるかどうか

同僚でキャリアチェンジをして開発者になった人が何人かいます。

一人はネットワークエンジニアから鞍替えした女の人で、Junior Software Developerとして働いています。

今の職に就く前は1年ほど自分でオンラインの学習サイトなどでソフトウェア開発について勉強したそうで、大学ではソフトウェア開発を勉強していません。

他にも、昔タクシー運転手していた人がいます。その人は確か大学に行ってコンピュータサイエンスを学んでから今のキャリアをスタートしているはずです。

ソフトウェア開発者として働き始め、ビジネスアナリスト寄りの作業を多くするうちに、ビジネスアナリストに道を変えた人もいます。

 

おそらくですが、うちの会社でソフトウェア開発者として働いている人の大半は、IT系の学部を卒業しているはずです。

なので、上で紹介した女の人は珍しい例だと思います。

ジュニアポジションではあるものの、ソフトウェア開発の実践経験がなく、大学でも学んだことのない人がこのご時世に職につくのはよっぽど運がいいか、何か事情があったか、オンライン学習やコミュニティなどでよほどの実績を残したかのどれかだと思います。

 

一方で、マネージャーやプロダクトオーナー※など、非開発者のポジションにつく人たちの中にはIT系のコースを修了していない人がけっこういます。

プロダクトオーナー:スクラム開発で、製造する製品について責任を持つ人。製品の仕様の決定権などを持つ。

オレのチームのプロジェクトオーナーは3つも学位を持っていますが、そのどれもが非IT系。オレのマネージャーもビジネス系学位しか持っていません。

 

こういう人たちを見たり、これまでに聞いた話、自分の体験を加味して言えることは、

就活の際、そのポジションに無関係なことを以前していたかは一切関係ない

大事なのは、そのポジションをこなす能力があるかどうか

これにつきます。

 

キャリアチェンジするのに学位は必要か

キャリアチェンジに限った話ではないですが、職を得るのに学位が絶対必要というわけではないでしょう。上記で紹介したジュニアポジションの彼女のような例も実際にあるわけだし。

ただ、上で話した「能力があるか」を対外的に示すためには、誰が見てもわかるような何か、例えば学位や職歴、その他何かしらの実績が必要になります。

そして、専門技術を扱う職業に就く場合、その仕事に関する基本的な知識を持っていることが求められるのが一般的です。学位はその証拠のようなものです(もちろん、必ずしも学位あり=知識ありではないが)。

職歴も実績もない二人のうち、一人が大学でITコースを完了、もう一人は完了してないなら、している人のほうが知識がよりあると判断されるのは当たり前。

当然就職も前者のほうが有利です。

そう考えると、キャリアチェンジに学位はあったほうが有利に働くのは間違いありません。

 

一応言っておきますが、面接の内容が就活で最も重要なのは言うまでもありません。職歴と中身が伴わなければ意味がないので。

でも、面接に呼んでもらうためには人事がひと目見てわかる何かが必要で、それが職歴や学歴なのです。

 

日本よりキャリアチェンジしやすい?

キャリアチェンジを思い立つ人がどのくらいいるかは検討もつきません。

でも、何となくだけど日本よりは多いと思います。

こちらでは日本のように新卒採用も(ほぼ)なければ、年齢差別もありません。日本と比べると、オーストラリアは新しいことに挑戦しやすい国だと思います。

上司から聞いた話だと、シニアソフトウェア開発者まで上がった人が、更に上に行きたい(収入を増やしたい)けどシニアレベルが開発者として一番上の場合、会社を変えるかマネージャー職に移ることがよくあるそうです。

 

一度入り込んでしまえばこっちのものかもしれない

最後に1つ。

職歴がない時は、初めて仕事を取る時はかなり大変です。でも一度仕事を始めてしまうと次の仕事も見つけやすいし(当然中身が伴ってないとだめだが)、キャリアチェンジも比較的しやすくなります。

これを逆手に取ると、意外と就職がうまくいくかもしれません

例えば、ソフトウェア開発者になりたいけどなかなか仕事が見つからない人が、最初はテスターとしてキャリアを始めます(テスターは開発者と比べたら少しだけ仕事に就きやすい)。

就職後テスターとして働きながら、開発者としてのスキルを自分で磨きつつ、職場で開発系のタスクをやるチャンスがあれば手を上げる。そして結果を残す。それを繰り返すことで力をつけ、社内で開発者が必要になった時に立候補すれば、そのまま採用される可能性が高いです。

すでに社内の人は働きぶりとスキルを知っているわけだし、採用プロセスをする手間が省けるので企業にとってはかなりの節約になります。

この手は、以前通っていた学校にいた元人事も有効な手段だと言っていました。

新しいポジションが空くとまず社内にその話が周り、身内から誰か選べるか探すのはよくあることです。これをうまく利用しましょう。

 

会計士になりたいなんかもそうです。

オーストラリアには永住ビザ狙いで会計や監査のコースを卒業した人が腐る程います。会計士狙いだと競争率高くて優秀な人しか仕事につけないので、最初はDebt collectorといって借金の回収等に関する仕事を受け持つポジションについて、そこから監査や会計のポジションを狙う人がいます。

職歴がない人にとっては、この方法は遠回りに見えて実は近道なのかも知れませんね。

 

押してだめなら引いてみろ的なこの作戦で1つ注意すべきところは、永住ビザを申請する時に遠回りした際のポジションの職歴が使えない可能性があること。

例えばテスター→開発者になって、189ビザを開発者として申請する場合、おそらくテスター時代の職歴はカウントできないです。

その点も踏まえて職探しやキャリアチェンジを考えてみてください。

 

まとめ

さて、まとめです。

QUTではほぼすべての授業で講義+実技があります。

実技とは実習やワークショップ、アサインメントで、授業によって様々な課題に取り組みます。

どれも具体的で、講義内容を反映したものばかり。

アサインメントはその極みで、講義と実技で学んだことをすべてぶつける場です。

これらをきっちりこなすことで、知識だけでなく技術力も自然と身につきます。

 

キャリアチェンジについては、過去にどんなことをしていようが関係なく、そのポジションに必要な能力があるかが就活成功の焦点。

キャリア構築に学歴が絶対に必要かと言われれば、答えはNoでしょう。

ただし、面接に呼んでもらうためには他人がひと目見て納涼があると分かるものが必要。

それが職歴や学歴、何かしらの実績です。

講義と実技両方をこなして得た学歴はそれなりの意味を持つため、あった方が就職に有利になります。

どうしても仕事が手に入らない時は、理想の職業ではないかもしれないけど、とにかく仕事を手に入れ、そこからキャリアチェンジをする手もあります。

 

 

あなたの疑問、少しは解消されたでしょうか。

質問があればコメントや問い合わせフォームからどうぞ。

 

次回は残りの質問であるB)について答えます。

 

では!

 

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