どうもです。
ギリギリです。
前回に引き続き、今日もオーストラリアの永住権の話。
前回の投稿では一切スポンサーを必要としない永住ビザである、技術独立永住ビザ(189ビザ)の話をしました。
今日は189ビザとよく似ている、そして意外とみんな存在を知らない、州スポンサービザ(190ビザ)について話します。
ところで、この投稿ではいくつかの専門用語が出てきます。
前回の投稿で専門用語を解説しているので、もしわからなければそちらを見てください。
Index
州スポンサービザ(190ビザ)とは
州スポンサービザ(以下190ビザ)は、正式名称をSkilled Nominated visa (Subclass 190)といいます。
このブログを書いている時点で、オーストラリアのすべての州で190ビザが申請できます(州によっては一時的に申請を受け付けていないこともある)。
このビザは、オーストラリアの各州が、優秀な人のスポンサーになることで申請できる永住ビザです。
企業ではなく州がスポンサーになってくれるって、何か規模がでかいですよね。
オーストラリアの州は、「州としてあなたを優秀な人物と認めるので、うちの州でぜひ働いてください。もし来てくれれば永住ビザをサポートしますよ」と言って優秀な人を招致しているのです。
ビザ取得条件と申請までの流れ
190ビザを取るには、州のスポンサーと移民局からの招待が必要です。
州のスポンサーは、EOI提出者の中から選ばれるので、EOIの提出は必須。
ただ、州のスポンサーを取った時点で移民局はスポンサー取得者を招待するので、実質州スポンサー獲得=申請可能ってことになります。
ビザ申請までの流れは189ビザとそれとほぼ同じなので(招待状を受ける前にスポンサーの通知を受け取る以外は同じ)、わからない人は前回の投稿を見て把握しておくことをおすすめします。
EOIは190ビザ用のEOIを提出してください。
申請時にどのビザのためのEOIなのかを入力する箇所があるはずです。
オレはビザエージェントに頼んだのでわからないけど、エージェントから2通のEOI、189ビザ用と190ビザ用それぞれ1通ずつをもらったので、EOI提出時は注意してください。
州スポンサーを得るには
州スポンサーを受けるためには、各州の定めるスポンサーシップ獲得条件を満たす必要があります。
この条件は州によって違います。
大抵の場合、その州の大学を卒業していて、かつ過去に一定期間その州で働いたことのある人、そしてポイントの高い人が優先的に選ばれます。
例として、NSWを見てみましょう。
NSWの190ビザの主な条件はこれら3つ。
- 最低60ポイント保持していること(州スポンサーを得ると5点もらえる→189、190ビザ申請に必要な最低点である65ポイントに達するので)
- IELTSなどの英語テストを受けて、一定以上の点数を持っていること
- スキルアセスメントを申請し、”適切”と査定されていること(つまり、スキルアセスメントをパスしていること)
NSWの190ビザ要件にはNSW内の大学(かそれ相当)を卒業していることという規定がありません。
他の州だと、その州の大学を卒業していることが条件の1つなことが多いので、NSWはその分楽ですね。
これらの条件、クリアするだけならそこまで難しくないです。
でも残念ながら、クリア=スポンサーがもらえるわけではありません。
何故かと言うと、NSWはポイントが高い人から順に選び、スポンサーになるからです。
これは189ビザと同じで、他のNSW190ビザ申請希望者よりも高いポイントがないと、何年待ってもスポンサーはもらえないのです。
NSWはシドニーがあるせいで人が集まりやすいため、応募者も優秀な人も集まりやすい。
NSWはおそらくオーストラリアで一番190ビザの競争が激しい州だと思います。
さて、ここで1つ注意点が。
2019年から、NSWの190ビザを申請する場合、一部の職業に追加条件が課されました。
この条件とは、NSWに住んでいて、かつ選択した職業で最低1年間NSWで働いたことがある、という2つ。
一部の職業には、会計士、監査役(監査官)、電気技師などの一部のエンジニア、高校の先生、一部の看護師、ソフトウェアエンジニアなどの一部のIT系職業などが含まれます。
NSWは大学やNSW在住にかかわらず誰でも190ビザを申請できたんですが、今年から人気の職業では申請できなくなってしまいました。
州スポンサーを得るための戦略
州スポンサー取得の可能性を少しでもあげるためには、しっかりとした戦略が必要。
自分にとってどの州が一番190ビザを取れる可能性が高いかを割り出すことが最も重要です。
可能性を考える際、これらの点を考慮するといいでしょう。
- 自分のこれまでの経歴(職歴)
- 選択する(予定の)職業
- 大学に入る場合、学びたい内容とコース
- 各州の190ビザの条件
- 就職のしやすさ=仕事の多さ
- 地方大学卒業によるポイント加算(+5ポイント)
- 大学卒業、未卒業での条件の違い
ポイントを増やすことばかりに目が行きがち。
でも、190ビザは職歴が必要な州があるので、仕事の取りやすさも考えなければいけません。
例えば、地方大学卒業で5ポイント加算したはいいけど周りに仕事が全然ないのでは、結果的にビザ申請が遠のく可能性があります。
また、自分の(日本での)職歴が190ビザに有効なものか調べておくことも重要です。
前回の投稿(デメリットの欄参照)でも触れましたが、オレの日本でのSEの職歴は、189ビザ、190ビザ両方で使えませんでした。
使えない=職歴ゼロなので、ポイントも下がるし条件も満たせません。
これらを先に知っているといないとでは、ビザへの道が大きく変わります。
どの州の大学を卒業したかも、州によってはビザ申請条件に入っているので要注意。
いくつかの州では、その州の大学卒業者でないと申請できません。
ビザ取得が目標なら、できるだけビザにつながりやすい大学を選ぶべきです。
すでにオーストラリアにいる人はどうすればいいの?
すでにオーストラリアにいて、大学に通っている人や仕事についている人もいると思います。
そういう人たちは、いますぐ自分のいる州の州スポンサーの条件を確認してください。
基本的にはいまいる州で190ビザを目指したほうがいいでしょう。
州によってはその州の大学の卒業生を優遇するので、現役大学生はぜひその優位性を活用してください。
大学生でない人は、他の州の条件にも目を通してください。
他の州で働いたほうが190ビザにより近づけるなら、そうすべきです。
そのためには知ることが大事。
条件だけでなく、かかるであろう費用や時間、予想される苦労なども考慮してください。
大学卒業生とそうでない人とでは条件が違う州があるので注意。
190ビザで人気の州
2019年現在、SA、WA、QLDに人がよく集まっているようです。
アデレードは比較的大きい都市だけど地方都市として認定されているため、SAにある大学に人が流れています。
地方の大学に通うと、それだけで5ポイントさらにもらえるのでおいしいです。
WAが人気なのは、マスターなど一部のコースの大卒者には、190ビザの条件が緩和されるなどの条件があるようで、それを目当てに大学に通う人が多いようです。
QLDは、マスターまたはPhDを完了している人は190ビザがかなり取りやすいようです。
どうやら職歴は関係なく、現在フルタイムの仕事があるかが焦点の様子。
職歴を必要としないのはかなり大きい。
キャンベラのあるACTは、数年前まではすごく人気の場所でした。
ACTに住み、働いている人をすごく優遇していたためです。
数年前に突然その優遇をやめたようで、人気はガタ落ち。
ただその後しばらくしてその優遇が復帰したという話も聞いているので、ACTもまた狙い目かもしれません。
各州の詳しい条件については、別の機会に取り上げる予定です。
まとめ:自分に最適な州を探すことが州スポンサービザへの第一歩
190ビザはオーストラリアの各州が優秀な人を招致するために用意している魅力的なビザ。
189ビザと同じくポイントを集めて申請する点は同じです。
ただ、職歴が必須だったり現在仕事についていることが必須だったりと、189ビザにはない条件もあります。
これら条件は各州によって違うため、どの州が一番ラクに州スポンサーを受けられるかは人によって違います。
すでにオーストラリアにいる人、これからオーストラリアに来て永住権を目指す人によっても違ってくるでしょう。
いずれにしても、190ビザ取得で一番大事なことは、知ること。
州によっては意外とあっさり永住権が取れてしまうかもしれませんよ。
では!
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